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大腸肛門外科Colorectal surgery

世界における直腸脱に対する各種手術方法について

直腸脱は図に示しますように、直腸が肛門から出てくる病気で、9割の方は肛門のしまりが弱くなっています。高齢の女性に多い病気で、手術でないと治せません。
            
世界における直腸脱に対する手術方法としては、非常に多くのものがあります。主な方法としては、ティールシュ法、デロルメ法、アルテマイヤー法、腹腔鏡的修復術があります。日本においては、以前よりガント・三輪・ティールシュ法という方法がよく行われてきました。
ティールシュ法は皮膚の下へ糸やテープなどを入れて、ゆるい肛門をしめる手術です。簡単な手術で、患者様の負担も非常に少ない手術ですが、悪い点は再発が非常に多い事です。
デロルメ法は、脱出している直腸の粘膜をはいで筋肉を露出し、この筋肉に縦に糸をかけて直腸をちぢめる方法です。比較的患者様の負担は少ないものの、手術後の死亡例も時に認め、再発もある程度多い事が欠点です。
アルテマイヤー法は、脱出している直腸を全て切除して残った腸をつなぐ方法です。おなかを切らないという点では負担が少ないですが、腸がつながらず便がおなかの中にもれて死亡される方も時におられます。また、再発も少なくはありません。
腹腔鏡的修復術は、最近日本でもよく行われるようになってきた方法です。おなかに何か所か小さいキズをつけて内視鏡を挿入し、おなかの中で直腸をはがして引っ張り上げ、糸やメッシュという布で固定する方法です。良い点は、@キズが小さいので後の痛みが軽い事、A手術による患者様の負担が軽く、手術後の死亡率は0という報告もあります。一方、悪い点としては、@全身麻酔に耐えられる人でないと出来ない事(あまりにも高齢な方や状態が悪く、全身麻酔にも耐えられない人にはできない)、A手術時間が長い事、Bおなかの中を切ったり、縫合したり、メッシュという人工物を入れることがあるので、それによる合併症がある事です。例えば膀胱などのおなかの中の臓器を損傷したり、男性の場合、性機能障害を時にきたすことがあります。また術後、腸が癒着して腸閉塞をきたす場合もあります。その他、メッシュのせいで便秘をきたすことも報告されています。
私たちは、日本においてこれまでよく行われてきたガント・三輪・ティールシュ法を少し変えて行っています。(ガント・三輪・ティールシュ変法 )
麻酔に関しては、全身麻酔は必要なく、脊椎麻酔(下半身麻酔)あるいは局所麻酔でも行うことが可能です。
脱出している直腸を切除したりはせず、ただ粘膜をつまんで糸で結び、いぼのようなものを作ります。このいぼを多数つくることにより、直腸はちぢんできて、出ている直腸は中に入っていきます。その後、先程述べましたティールシュ法を行います。手術後の死亡率は0で、再発も非常に少ない方法です。その成果は、大腸肛門分野における権威ある国際雑誌「Colorectal Disease」 に2019年1月23日付で掲載されました。
私たちはこれが、現在、世界の数ある直腸脱の手術の中で、患者様にとり最も負担が少なく、再発の少ない手術と考えております。従って、私たちは、直腸脱の患者様に対しては、第一選択として、すべてこのガント・三輪・ティールシュ変法を行っています。(以下に各術式を比較した表がありますのでご覧ください。)

「直腸脱に対する各種手術方法について」の表はこちらから >>>>>>

TANAKA HOSPITAL医療法人慈豊会 田中病院

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